140626_尖底と平底 ― 2014/07/05 00:39
それは、長野県などの山岳地帯の遺跡出土品の中に蛇(へび)のついている土器がかなり目立つことである。
しかも、明らかに、蝮(まむし)とみなされるものがある。
蛇に対して普通の人は嫌悪の念をいだく。
ことに蝮は人々に危害を加える恐ろしい爬虫類(はちゅうるい)の一つだ。
このようなものを、何故土器の口線部などにとりつけたものであろうか、あるいは特別な信仰の用具として、この土器が使用されたもの
であろうか。
とにかく、なんらかの呪的な意味をもっていたにちがいない。
(P.116~)
石棒は文字通り石の棒であり、最も単純にその形状をあらわした名称であるが、これには一メートルに近い大きいものもあり、両端がふ
くらんである。
また、三十センチぐらいの小さいものがあり、一端のふくらみに樺皮をまきつけた例もある。
関東地方の農村を歩くとよく小さな祠(ほこら)の中に、この石棒が祭られているものもあり、土地では「石神(いしがみ)さま」など
と呼んでいることもある。
もっとも、これは、縄文時代の遺跡に対する新しい民俗信仰であるが、しかし、石棒自体はやはり実用のものとは思われない・・・
(P.117)
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