別冊 恵比塵

140703_らっけう2014/07/05 02:34


どのテレビだったか、「ためしてがってん」かも知れない。番組で、らっきょうの話をしていた。
この若いものを「エシャレット」という命名をして市場を作ったのは日本人。
そして、「エシャレット」というのは、英語では玉ねぎのことらしいとも。
らっきょうは焼くと甘味が最大になるとか、
あれ?と思ってこの書(「農業全書」)を開いてみた。
すると、「薤、是を火葱とも云ふ。」ともある。

先日に、この本に載っていた図(稲作の種巻きから収穫脱穀までの図)を転載した。
なんとなく、読めそうである。かもしれない、と気を取り直す。

これ以降、本ブログで、カテゴリー:農業全書、は、主に、
『農業全書』岩波書店、2003年2月21日 第9刷発行(1936年1月10日 第1刷)からの転載と抜書きとしておくことにする。
旧字が沢山なので、判断して自分にも読める字にした。
間違いはある。気が付いたら訂正予定としておく。

140703_らっけう

■薤(らつけう) 第三 /農業全書

 薤、是を火葱とも云ふ。
味少し辛く、さのみ臭からず、功能ある物にて、人を補い温め、又は学問する人つねに是を食すれば、神に通じ魂魄を安ずる物なり。
 うゆる地、白沙の軟かなる肥地をニ三遍も耕しこなし、ニ三月分けて一科(かぶ)に四五本づゝうゆべし。
さい/\中うちし、根の廻りをかきさらへ、畦中をきれいにしてをくべし。
湿気のつよきをにくむ物なり。
是もわけぎのごとく分けてとるべし。
根を盥醤(ちそ)に漬け置きて用ゆべし。
又煮て食し、或は糟に漬け、醋に浸し、又少しゆびき醋と醤油に漬けたるは久しく損ぜず。
味よき物なり。
又醋味噌にて食す。
牙音(はおと)ありて気味おもしろき物なり。
たねを取りをく事も春葱と同じ。
時珍が云く、八月に根をうへ、正月にわかちて肥地にうへ、五月に根をとるべし。
(P.160~161)

盥醤(ちそ):“ルビ”自信なし。
時珍:『農業全書』編録者、宮崎安貞が参考にした書籍の著者名らしい。
と書いてから、検索すると「李時珍(りじちん)」という人で、“中国本草学の集大成とも呼ぶべき『本草綱目』”を著した云々と、嫌になるほど出てくる。
嗚呼、検索しなきゃよかった(笑)。


コメント

_ 恵比塵 ― 2014/07/08 01:03

2014/07/08
×根を盥醤(ちそ)に漬け置きて用ゆべし。
◎根を鹽醤(ちそ)に漬け置きて用ゆべし。

×盥醤 → ◎鹽醤 〔鹽〕は〔塩〕

_ 恵比塵 ― 2014/07/19 02:38

鹽醤(しほみそ)
別の頁にルビ発見。2014/07/18に掲載した。

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