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130127_北越雪譜2013/01/27 23:58


130127_北越雪譜


「雪を掃ふ」
某スレッドにチャチャ入れコメントをしようとして、抜書きしてみた。

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(北越雪譜・鈴木牧之『校註 北越雪譜』野島出版、P.16~17より)

雪を掃(はら)ふは落花をはらふに対(つい)して風雅の一ツとし、和漢の吟詠ふまた見えたれども、かゝる大雪をはらふは風雅の状(すがた)にあらず。

初雪の積りたるをそのまゝにおけば、再び下(ふ)る雪を添へて一丈にあまる事もあれば、一度降(ふれ)ば一度掃(はら)う。
雪浅ければ、のちふるをまつ。
これを里言(さとことば)に雪堀(ゆきほり)といふ。
土を掘るがごとくするゆゑに斯(か)くいふ也。

掘らざれば家の用路を塞ぎ、人家を埋(うづ)めて人の出(いづ)べき処もなく、力強(ちからつよき)家も幾万斤(いくまんきん)の雪の重量(おもさ)に推砕(おしくだかれ)んをおそるゝゆゑ、家として雪を掘(ほら)ざるはなし。
(北越雪譜・鈴木牧之『校註 北越雪譜』野島出版、P.16)

掘るは木にて作りたる鋤(すき)を用ふ。
里言にこすきといふ。
即(すなわち)木鋤(こすき)也。
椈(ぶな)といふ木をもって作る。
木質軽強(きのしょうねばく)して折(お)る事なく且軽(かつかろ)し。
(北越雪譜・鈴木牧之『校註 北越雪譜』野島出版、P.16)

形は鋤に似て刃広し。
雪中第一の用具なれば山中の人これを作りて里に売(うる)。
家毎に貯(たくはへ)ざるはなし。
(北越雪譜・鈴木牧之『校註 北越雪譜』野島出版、P.16)

雪を掘る状態(ありさま)は図(づ)にあらはしたるが如し。

堀たる雪は空地の人に妨(さまた)げなき処へ山のごとく積(つみ)上る。
これを里言(りげん)に掘揚(ほりあげ)といふ。
(北越雪譜・鈴木牧之『校註 北越雪譜』野島出版、P.16)

大家は家夫(わかいもの)尽して力たらざれば、掘夫(ほりて)を傭(やと)ひ幾十人の力を併(あわ)せて一時に掘尽(ほりつく)す。
事を急(きふ)に為すは、掘る内にも大雪下(くだ)れば立地(たちどころ)に堆(うづたか)く人力におよばざるゆゑ也。
(北越雪譜・鈴木牧之『校註 北越雪譜』野島出版、P.16)

掘(ほ)る処図(づ)には人数(にんず)を略してゑがけり。
右は大家(たいか)をいふ。

小家の貧(まづ)しきは堀夫(ほりて)をやとふべきも費(つひえ)あれば男女をいはず一家雪をほる。
吾里にかぎらず雪ふかき処は皆然(みなしか)り。
(北越雪譜・鈴木牧之『校註 北越雪譜』野島出版、P.16)

此雪いくばくの力をつひやし、いくばくの銭を費(つひや)し、終日ほりたる跡へその夜大雪降り、夜明(よあけ)て見れば元のごとし。
かゝる時は主人(あるじ)はさら也、下人(しもべ)も頭(あたま)を低(たれ)て歎息(ためいき)をつくのみ也。
(北越雪譜・鈴木牧之『校註 北越雪譜』野島出版、P.16)

大抵雪ふるごとに掘(ほる)ゆゑに、里言(りげん)に一番堀二番堀といふ。
(以上『校註 北越雪譜』野島出版、P.16~17より)

 ・ ・ ・ 


雪国に住む人たちは、「は~、よっぱになった」と言いながらも、まいにちまいにちまいにちまいにち、してきたことである。
『除雪』作業なら、このように文献とその地の経験はいくらでもあるのである。

しかし、『除●』となると、、、、←自主規制!

(FBに掲載した)



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