別冊

縮の種類(北越雪譜)2/22018/02/12 00:28

北越雪譜初編 巻之中
   越後湯沢 鈴木 牧之 編撰
   江  戸 京山人百樹 刪定

 ○縮(ちゞみ)の種類(しゆるゐ)2/2

||▲白縮は堀の内町在(ざい)の村々-これを堀の内組といふ-又浦佐(うらさ)組小出嶋(こでじま)組の村々▲模様るゐ或は飛白(かすり)、いはゆる藍錆(あゐさび)といふは塩沢(しほざわ)組の村々 ▲藍●(あゐじま)は六日町組の村々 ▲紅桔梗縞(べにききやうしま)のるゐは小千谷(をぢや)組の村々 ▲浅黄織(あさぎじま)のるゐは十日町組の村々也。又紺の弁慶縞(べんけいじま)は高柳郷(たかやなぎごう)にかぎれり。右いづれも魚沼一郡の村々也。此余(よ)ちゞみを出(いだ)す所二三ケ所あれど、専らにせざればしばらく舎(おき)てしるさず。
「校註 北越雪譜」野島出版より(P.62)

■〈名前と主な組(村)〉
【白縮】堀の内組(堀の内村を中心に二十九村)、浦佐組(浦佐村を中心に五十四村)、小出嶋組(小出島村を中心に三十九村)。
【模様類または絣】いわゆる【藍錆】は塩沢組(塩沢を中心に五十八村)。
【藍●(あいじま)】六日町組(六日町村を中心に六十六村)。●は、“糸”と”浸”の右側ぶ一文字。
【紅桔梗縞】小千谷組(小千谷を中心に三十八村)。
【浅黄織】十日町組(十日町村を中心に十九村)。
【紺の弁慶縞】高柳郷限定(高柳郷は魚沼郡の隣の郷)。

||縮は右村里の婦女(ふじよ)らが雪中に籠(こも)り居(を)る間(あひだ)の手業(てわざ)也。およそは来年売(うる)べきちゞみを、ことしの十月より糸をうみはじめて次の年二月なかばに晒しをはる。

 〈製作の季節〉
■縮といわれる品は上記の各村里(集落)の女性の冬中の手作業で作ります。
来年に売る分だけの縮を作ります。
十月から糸績みを始めて、翌年二月半ば迄には織り終えて、晒し上げます。

||白縮はうち見たる所はおりやすきやうなれば、たゞ人は文(あや)あるものほどにはおもはざれども、手練(しゆれん)はよく見ゆるもの也。村々の婦女たちがちゞみに丹精を尽す事なか/\小冊(さつ)には尽しがたし、其あらましを下に記(しる)せり。

 〈手練の技術〉
■例えば、白縮などは、傍目にみると織り易そうに見えます。
知らない人は、模様のあるほどには難しくないだろうと思うかもしれませんが、
その織りの素晴らしさは織った手練の結果としてよく見えるのです。
村々の機織女たちがどれほどの丹精を尽くすかの説明は、一冊の本では書ききれません。
その概略については、次節以降に書いていきます。

※意訳少し無理ありかも(掲載子)。次の章からはもっと恐い(笑)。



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