別冊 恵比塵

150422_苧環2015/05/03 10:05


150422_苧環


【苧環】おだまきのこと。

某FBより。

 こんばんは、どこまでを【苧環】というのか、某奥会津昭和村の「からむし工芸博物館」に問い合わせてみました。
その結果、某奥会津昭和村(麻のこともからむしの事もどちらもご存知の地方の筈・・・)地方では、糸になる前の繊維状態で丸めたものは、苧環とは言わない。
「手がらみ」というらしいということでした。

変な質問の言いだしっぺの顛末報告をかねて、調査事例として以下に問合せと回答を転載しておきます。
ありがとうございました、引き続き、よろしくお願い致します(^^;

■■問合せ主文■■
 お教えください。
 簡便辞書に依りますと、このような記述があります。

【苧環】おだまき
 糸によった麻を、中を空虚にし、丸く巻きつけたもの。おだま。

 この状態の物を見た覚えがあるのですが、
 これを昭和村では何と呼んでいるでしょうか。
 糸にする前の原麻を裂いたものも、同じようにしてますよね。
 この名前もわかりません、
 どちらも違う名前があるのでしたら、両方の名前を教えて下さい。

■■回答主文■■
記憶に間違いはありません。
展示室始めの植物繊維のところに、シナオヒョウ苧環があります。
つないだ糸が中心部からするすると出てくる優れものです。
これを作ると、ヨツワク(糸巻き)がいりません。
ただ、昭和村ではつないだ糸を濡らして撚りをかけます。
それをこの苧環にすると乾かないため、ヨツワクに巻き返します。

ですから、昭和村ではこの状態のものを作りません。
ので、名前もありません。
それぞれの繊維と、それに合った作業工程で、昔の人はすごいと思います。

アイヌ語では「カタ(ク:小さいク)」というそうです。

また、昭和村で裂く前の原麻を小分けにしたものは、「手がらみ」と言います。
こちらは、つなぐ前の繊維を1本づつ取り出しやすくするものです。

苧:について
既にご存じかもしれませんが、植物繊維やその糸を「苧」と総称します
それで、大麻でも、樹皮繊維でも「苧環」と言われます。

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