別冊

150718_奥会津/からむし畑(大芦)2015/08/06 01:38

2015年7月18日。
奥会津昭和村の「からむし織の里フェア」のイベントの一つ、からむし畑とカスミソウ畑見学ツアー。

150718_奥会津/からむし畑(大芦)







からむしの刈取り。
ツアーの時間に合わせて、昼過ぎの作業となっていますが、普通は昼の時間に刈取りをすることはないそうです。
そして大抵は早朝または夕刻に作業をします。
その収穫量は、刈取った茎を一日に原麻にする(苧引き)分だけ刈取ります。























刈取られたからむしは、枝葉をこそげ落とし、二種類の長さに切断される。
親苧(おやそ)と影苧(かげそ)とよぱれる。
影苧(かげそ)と呼ばれるものが、枝も少なく真っ直ぐなもので、原麻としての最上品候補となる。
影苧(かげそ)の枝は、手で一回こそげると、きれいに取れてしまう。
親苧(おやそ)は少し太くて、枝も一回ではこそげ落とせない。
つまり、原麻にした時に枝(節)の部分が少しは欠落があるのでしょう。




それを分けて、尺棒に合わせてそれぞれの基準の長さに切断する。
ここで切断された茎や枝葉は、そのまま畑に残(うっちゃらかすともいうが、畑に戻すともいう)される。
つまり、不要なものは次工程に引きずらないのです。

150718_奥会津/からむし剥ぎと苧引き2015/08/06 01:49

2015年7月18日。
奥会津昭和村の「からむし織の里フェア」のイベントの一つ、からむし畑とカスミソウ畑見学ツアー。

150718_奥会津/からむし剥ぎと苧引き



「これが、百匁(ひゃくもんめ)の原麻です。」
これが2本で小千谷縮の一反(いったん)の布になるそうです。とも。
つい最近、繊維の流通の基本単位が百匁であるらしい事を「農業全書」という本で知った。
このボリュームで、400グラムほどもないのです。
江戸時代には会津(奥会津(大芦))の苧は、小千谷縮の原材料素材としてブランド品となった。
その時代から、上質、均一もさることながら安定供給を保障する矜持も持っていたのです。
責任産地として他地域の追従を許さないブランディング、原麻を結束したときの端正な形にも表れます。
そして、中央上部には、きちんとリボン結びをして取りまとめたそうです。



これがその製品としての特上原麻(おそらく去年のもの)百匁(ひゃくもんめ)なのです。
苧引きした繊維を陰干しして、取りまとめたて束にした(結束)もの。
説明の方の原麻の扱い所作、傾けてお見せする右手の向き、手馴れていなければできない動作です。




からむし剥(は)ぎ。
刈取ったからむしは、一旦冷水に漬けられます。池などに浸されます。
つまり、ここでは説明用に、畑でお見せした刈ったものではなく、事前に準備しておいた茎です。

その後に、からむしの茎を、芯と皮の部分に分離します。
これを、からむし剥ぎという。
だいたい真ん中辺りを、手でつぶして、つぶれた箇所をすこし戻すようにしてひねりながら、左右に開くと、皮の部分が2枚の帯状になる。

苧引きは、その帯状になった皮を、さらに表面の上皮部分をこすり落として、繊維部分だけを取り出すのです。



「やってみらんしょ」








むかしは、刈取りは男がします、そして、苧引きは女がします。
夫婦の家であれば、夫が刈取って妻がその後工程をするのです。

からむしの刈取りは、その日(夕方の刈取りであれば翌日)に苧引きが出来る分だけを刈り取ります。
まとめて刈取ることは出来ないのです。

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