別冊

120504_新鳥居峠2012/05/09 22:13


Kさんの車で、新鳥居峠、伊南、水芭蕉まつりの小野川へと同乗させていただいた。
6日に時間をとっていただく予定であったが、昨日から雨、同氏はわたしの野良仕事の手伝いの真似も出来ない事を読んでいて本日に変更してくださった。

120504_新鳥居峠

大芦集落へ、右前方の山が大芦の愛宕山。
去年に気づいたが、他の集落の愛宕山の頂上も見晴らしが利くように伐採してある。
雪のあるうちに伐採してある。



玉川地区へ。
中学一年生のときに、長谷川先生と友人4人とで、自転車で畑小屋分校まで出かけてキャンプをしたことがある。
その頃は砂利道だった。



途中の「山の神」の祠と鳥居のある場所。
かすかに記憶がある。
この場所は、3年前にも同氏の車に乗せてもらって、この場所は通ったはずである。
K氏:「二叉の木は切るな、と伝えられる」
3年前にも同氏は説明されたかも知れない。
いかんせん、その頃のわたしにはそのような呟きを聞き逃さないほどの知見もなかったのである。

K氏が石の祠を丹念に見ている。
わたしがメモ帳を出しているのに気づいたか、声を出して読み上げる。
「文政六年九月吉日、村中、、、世話人、、星要、カナメは要(ヨウ)の字、、五十嵐、、、」
あわててメモをしたのである。そのことをK氏はきちんと確認している。
お一人での調査であれば、当然のごとくその場で自分のメモ帳に記録されたであろう行為である。

実は、ドライブの最後に、「あの祠の文字を教えて下さい」とおっしゃった。
メモ帳を出して殴り書きの文字を読み上げる。
K氏はそれを自分のメモ帳に書いた。
なんだか少しだけでもは手伝いが出来たのかなと、頼られた気分に嬉しくなった。






K氏:「このあたりは木地小屋か出小屋のあった場所でした」
K氏:「ウチュウザワとナチュウザワという地名です。ナチュウザワの庚申様と呼ばれていました」


K氏:「台座には菊の文様があります」
をを、菊の文様のある石碑は昨年のフィールドワークに同行させていただいたときに、
両原のはずれの石碑で説明してもらった文様のことである。
J:「上の文字は梵字かなにかのマークでしょうか?」
K氏:「それはサンザル(三猿)です」
ああ、またトンチンカンな質問をしてしまった。





この庚申供養塔については、K氏は当日のブログに以下のようにまとめられていた。

■明和三年(1766)戌八月吉日 庚申供養塔 世話人10名記 三猿・菊水陽刻
 馬場勇伍氏が1992年に昭和村役場企画課より発刊した『昭和村の石造遺
産』の29ページに、玉川木地が建立した庚申供養塔が掲載されている。大石
右と左に建立した人名が陰刻されている。日下8名、三星2名で不明文字も多
い。
 同じく馬場氏が2002年に昭和村教育委員会より発刊した『木地師の跡を
尋ねて』の99ページから玉川木地師として44基の墓石調査結果を掲載して
いる。滋賀県の君ヶ畑を訪ね『氏子狩帳』の調査を経た後で、1992年の1
0名の姓名については明和七年氏子狩帳の姓名から類推して訂正している。
 宇中沢(うちゅうざわ)と奈中沢(なちゅうさわ)の、宇中沢側に玉川木地
はあり、そこが明治期に無人となり、昭和27年に並松山開拓地として大芦の
人々により開墾された。さらに上流には新・鳥居峠の登り口、駒止湿原への道
の分岐点に、三階山(さんがいざん)開拓地があり、ここは平成年代まで五十
嵐順太氏夫妻が暮らし、リンドウやかすみ草を栽培され、現在は廃屋が雪で潰
れたままある。


奥会津昭和村大岐・菅家博昭ウェブサイト
【記憶の森を歩く(2012)】
2012年5月 4日 (金)
山の神様石祠(大芦・玉川沿い)より
http://kanke.cocolog-nifty.com/2012/2012/05/post-0782.html



更新搭の後ろにある木立も変わった木が生えている。
二叉の木の叉の部分に、別の木が挟み込まれて押さえつけられて三叉状になっている。
さほど古い木とは思われないし、庚申塔の建立時代よりははるかに後の樹木と思われる。
が、やはり聖なる樹として切られることなく残そうというヒトの意思が働いた
のだろうかと思った。


既に人の住まなくなった家(出小屋?)が重力と自然の摂理通りにつぶれている。



新鳥居峠頂上付近。


気配のある風景。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yebijin.asablo.jp/blog/2012/05/09/6441375/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。

別冊