別冊

「からむし織見本市in恵比寿」2日目2011/02/16 21:02

開催中です。24日まで。
からむしの里・奥会津昭和村の「第二回からむし織見本市」。
「エビス・ギャラリーコウゲツ」東京都渋谷区恵比寿1-5-2-205 会期:2/15(火)~2/24(木) AM11:00~PM7:00 入場無料。

■会場風景
「じいちゃんありがとう」
奥会津の子供たちが、じいちゃん・ばあちゃんにアルバムから一枚の写真を元
に聞き書きした。奥会津書房が刊行しています。


おそらく今年が最後かも。





これは、からむしではなくアカソという植物から縄にしたもの。
50メートルほどあれば一つのバッグが編み組みでするそうです。
この縄になるまでも、全部手縒りです。




■ここから、糸績み(いとうみ)と糸縒り(いとより)。

使っている道具のほとんどは、3月に国選定重要有形民俗文化財に指定される
道具と同じもの。
「からむし織見本市in恵比寿」2日目




プラスチックの桶は、国の重要有形民俗文化財とはなりません。
乾燥している会場で、一連の工程をお見せするための小道具でした。
だが、しかし、その中に入っている「おはじき」は糸車を使った糸縒りのときに重要な意味があるのです。
このおはじきは、大小不ぞろいであること。
またおはじき代わりに「ビー玉」を使った例が展示パネルにありました。
ビー玉の代わりに、アズキ(小豆)なども使用したそうです。






糸車で縒って、紡錘状に巻いていく。
この紡錘の軸(芯)には、麻殻(あさがら)を使用している。からむしの茎ではない。
ストロー状の麻の茎の芯の部分である。
昭和村出身の民子姉は、小さい時にこれをシャボン玉のストローにした覚えがある、といいます。









来場の方も、おそるおそると手取り足取り(文字通りである)始めてみる。
糸に縒った感覚が感じられると、はまっていきそうである。
ブーン、ブーン。糸巻きと作業する人の体の大きさ分の糸の長さが、巻きの一区切り(最小単位か)となる。

一緒に来た男性の方は昭和村出身の方。
「見たことはあるが」、実際に操作したことはない。
それでも、「んじゃ、やってみっか」と糸縒りにチャレンジしてみる。
昭和村で育った人が、首都圏恵比寿で村では出来なかったことを追体験(エクスピアリアンス)するのである。
糸車の大きさは、おそらく昔の女性の背丈に合わせた作りになっている。
人間工学などといわずとも、長年の経験が作り上げた道具の大きさの按配である。
ま、ほんのちょっとの体験であるので、ひざを曲げて体の方で調整するのであるが、
糸製品としての規格となるためには、試行錯誤があった上での道具仕立てではなかったかと想像する。
すると、その昔は「あそこの嫁は体がづねー(大きい)から、糸縒りにはむかねー(向かない)」
などと話していた時代もあったのではないだろうかと、昔の事々をしみじみ思うのでした。
宣伝つもりなのに、暗いかも知れない話にしてどうする!。はい、本日は、これでおしまい。




■蛇足。
開催初日の記事(写真付き)が、福島民報社のWebに掲載されていました。
重要有形民俗文化財答申の記事から、福島民報社はとても丁寧な解説記事も載せています。
おりしも本日(16日)の朝日新聞夕刊にも、青森県の「麻布に木綿糸」で刺繍した仕事着(これも国の重要有形民俗文化財)を集めた「LOVE! Handmade手仕事刺繍展」
がアミューズミュージアム(浅草)で開催される記事が載っていました。
このタイトルは、『仕事着が語る120年前の女子力』でした。

からむし織の生産用具が重要有形民俗文化財となるには、二十数年前に村のごく少数の有志(おとこてー)が
強い意志と覚悟で、自発的に集落を廻って、道具を蒐集してリストを作って、保存して、まずは福島県の重要文化財に申請することから始まりました
「その時」がなかったら、今回の国の指定には辿りつけなかったのです。
ことの重要さに気づいた先人と先達の方々の、にじむ努力を忘れてはいけません。

それがあった上でのことですが(と、続けていいのか(笑))、
今回のからむし織見本市も会場の設営準備から開催中の応接と説明も、全て織姫OB(おなごてー:女子)
が動いて(実働)いました。「おとこてーは何やってんだか?」。
元会津のおとことして、ほんとに頭が下がります。
ここは、後で削除しなくっちゃ(((^^;


■お断り■本ブログは開催主催者による掲載ではなく、あくまで個人的感想による自発掲載です。
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